大腸内視鏡検査
内視鏡検査の順番を獲得するために繰り広げられる患者による腸内洗浄剤ガブ飲み大会
誰よりも早く腸内を綺麗にしなければ順番が遅くなる。
私が 私が一番だ
前日のお昼から戦いは始まっている
内視鏡検査の日が決まった。
私は下剤を受け取りながら戦いに向けて準備を始める。
決戦は明後日だ。
明日の昼から食事を調整しなければならない。
推奨は素うどん・おかゆ
以前検査を受けた時は当日の戦いのことなど知らず
軽い気持ちでうどん屋に入った。
「ぶっかけうどん 全部抜きで」
だがどうしたことか ネギと大根おろしが入っていた。
なぜだ
刺客でもいたのか。
夕食は２０時を過ぎてしまった。
まあ大丈夫だろう
が 甘かった・・・
次から次とクリアしていく勝者たちを目にしながら
これでもかこれでもかと飲んでは出し飲んでは出しを繰り返す
つらい
お尻の感覚がおかしい
最初に与えられた分を飲み干すも綺麗にならず追い洗浄剤
甘じょっぱい洗浄剤と水を交互に飲む
お腹も気持ち悪くなってきた
結果１０人中最後から２番目。
完全なる敗北
今回は前回のようにつらい思いはしたくない。
私の決心は硬い。
【前日の昼食】
うどん屋に入る
食券を出しながら
「全部抜きで 薬味も天かすも何もかも」
強くおばちゃんに伝える
【前日の夕食】
仕事で帰りが遅くなってしまった。
やばい ２０時まであと２５分
急いでお湯を沸かし アオハタの卵がゆを温める
同時に玉子豆腐を皿に盛る
これで完璧
いつもより多めに水を飲みながら明日の勝利を確信する
【２０時に下剤】
下剤を飲んでから２時間ほど経ってもなんの変化も起きず焦る
ここである程度出しておかないと夜中がつらい
案の定夜中に３回ほど起きる。
ウォシュレットのありがたみを噛み締めながら出てよかったと安堵する。
検査当日
決戦の日
今回は前回より少ない８名
年齢は高めだ
飲み方の説明を受け８時半から一斉に飲み始める。
トイレの数は５箇所
場所を確認しすぐに行けるようにしておく。
ここの病院のトイレは一番右側が狙い目だ。
TOTO NEO REST
そう トイレの最高峰 なん十万円もするあのトイレがなぜか一つだけある。
せめてお尻に優しいトイレを選びたい。
我が家にも導入したいものだ。
８時半
戦いの火蓋は切って落とされた。
まわりの様子を伺いながら飲んでいく
おもむろに右隣の人が立ち上がる
むむ もうきたのか
急がねば
遅れている
３０分ほど経った頃
第一次開門開始
キタキタ
だが思うように出ない
もっと出さねば
ペースをあげよう
４０分を経過した頃
堰を切ったように次々とトイレに立ち上がる患者達
トイレが空いていない
まずい ここで出してしまうわけには行かない
早く 早く出てくれ
待て 待て まだ出ないでくれ
出て欲しいのか欲しくないのか頭がぐちゃぐちゃになりながら空いたトイレに滑り込む
ほとんど水だから我慢がきかない やばいやばい
ついに勝者が
トイレから出て来ると１人順番が決定したらしい
なんだとおおおおお
もっとペースをあげよう
もう少しだ もう少しで私も綺麗になるんだ
持分を少し残した状態で私の順番が決定した。
２位だった
無念
私よりも入念に準備してきたツワモノがいたか・・・
追い洗浄剤を飲まされている戦友に哀れみの目を向けながら優越感に浸る
この戦いは前日から始まっているのだよ・・・と
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